消防用の防火水槽の役割について
防火水槽の役割はもちろん万が一の火災発生時に消火用水を供給することにあります。
これとは別に消火栓もあり、こちらは水道の本管に直結して消火用水を得ることができます。
水道管は圧力がかかっていますから、蛇口をひねれば水が出てくるのと同じく、消火用にホースをつなぐだけで水が噴出します。
一方で防火水槽は単にタンクのようなものに水が溜められているだけですし、設置場所も普通は地下ですから、ホースをつないだだけでは水は出てきません。
ポンプを使って能動的に吸い上げてやる必要があります。
このような理由から、最近では消火栓のほうが主流となっていますが、それでも水槽も併用されています。
水道管を流れる水の量には限界がありますので、それを補助する意味で水槽も役立つことがあるわけです。
火災の場合、短時間で大量の水を必要とすることが普通ですから、少しでも多いほうがありがたいのは当然のことです。
また、例えば大きな地震災害が発生し、揺れに伴って火災も起こったというような場合、地震によって水道管が破損してしまうということもあります。
こうなると水道管は利用できませんが、予め水を蓄えている水槽であれば、そこにある容量分だけはとにかく利用することができるわけで、安心材料になります。
もちろん、ポンプによって吸い上げなければ利用できない以上、それを電気で動かしている場合には災害で停電が発生してしまえば使えないという問題はあります。